原文の掲載日は2013年7月4日であり、記事内容は当時の状況を反映している。
現在、2013年6月26日から7月3日にかけてオバマ大統領がアフリカを訪問、セネガル、南アフリカ、タンザニアの順に歴訪している。多くの評論家が今回のオバマのアフリカ歴訪をサハラ以南アフリカ諸国における中国の経済進出 [fr]に対してアメリカが巻き返しを図るためのミッション [en]だと位置づけている。
2010年以降、中国は アフリカの最大の貿易パートナー [fr]である。しかしながら、オバマ大統領がガーナを訪れた4年前では、米国は現在の中国の地位にいたのだ。 4年前に行なわれたガーナでのオバマ大統領のスピーチは 多くのアフリカ人に疑いを抱かせ [en]、アフリカ・アメリカ間に共通の関心がないことをみせた。
下のビデオは、グローバル・ボイス寄稿者 Abel Asrat が グローバル・ボイス アムハラ語版に投稿したものである。今日のオバマの対アフリカ政策についてAsratの見解を語っている。
ダカールにオバマ大統領が到着する数日前から [fr]Twitter上で出現し出したハッシュタグ ウォロフ語 #ObamaTakh は、オバマ大統領の今回の訪問目的に対する人々の疑いを反映している。#ObamaTakhは、”オバマだから” または ”オバマのおかげで” を意味する。
オバマ大統領がセネガルの地を踏んだ訪問当初まで、“オバマだから” はソーシャルネットワーク上で著しく使用されたフレーズ [fr]であった。しかし、ワシントンD.C.在住のセネガル人@LebouPrincessがTwitter上で強調したようにこのムードは一変した。
Plus impressionnant que l'arrivée du Air Force One c'est le revirement des #kebetu (Twittos en Wolof] lol guemoulene dara [vous êtes versatiles] #ObamaTakh
翌日のマッキー・サル大統領との懇談中にオバマ大統領は セネガル相撲 [en]を話題にしたり、ウォルフ語Nio Far (私たちはパートナー) Teranga (温かいもてなし) Jerejef (ありがとう)を言うことで、多少ではあるがセネガル人をオバマ側に引きつけることができた。
両大統領の会談での中心的な議題はマリ紛争、麻薬取引と 経済問題 [fr]であった。
Le président américain Barack Obama a annoncé, jeudi à Dakar, que son administration était en train de « chercher des modalités de reconduction » de l’AGOA [African Growth and Opportunity Act], la Loi américaine sur la croissance et les opportunités en Afrique.
S'exprimant au cours d'une conférence de presse conjointe avec son homologue sénégalais Macky Sall, au lendemain de son arrivée au Sénégal pour une visite officielle de trois jours, le chef de l'Etat américain a indiqué avoir demandé à son administration de travailler pour arriver à une reconduction de l'AGOA.
L'AGOA est un programme unilatéral de préférence commerciale signé par le Congrès des États-Unis et permettant l'exemption de taxes et l'accès à un quota libre pour plus de 6 400 produits provenant des pays éligibles de l'Afrique sub-saharienne.
Le président Obama a par ailleurs réaffirmé la volonté de son administration de travailler à développer les relations commerciales entre son pays et le Sénégal.
米国・セネガル両大統領によって行なわれた記者会見の中で、セネガルとその他各地で一番話題となった瞬間は、自由に確信を持つオバマ大統領がセネガル大統領に対し、アフリカの同性愛者の権利について話題を持ち出した時である。 Sabine Cessou はRue89で 質問がどのように審査されたか説明している [fr]。
Les questions des quelques 300 journalistes présents ne pouvaient pas être posées librement, mais avaient été sélectionnées à l’avance. Ce processus a permis à seulement deux journalistes sénégalais et deux journalistes américains de poser quelques salves de questions chacun.
300人のジャーナリストによる質問は事前に審査をかけられた。結果、セネガル人、アメリカ人ジャーナリスト双方二名ずつが問題の質問を聞く許可を与えられた。
マッキー・サルの回答はセネガル保守派を失望させなかった [fr]。
Fondamentalement, c’est une question de société. Il ne saurait y avoir un modèle fixe dans tous les pays. Les cultures sont différentes, tout comme les religions et les traditions.
Même dans les pays où il y a dépénalisation de l’homosexualité, les avis ne sont pas partagés. Le Sénégal est un pays tolérant : on ne dit pas à quelqu’un qu’il n’aura pas de travail parce qu’il est homosexuel. Mais on n’est pas prêt à dépénaliser l’homosexualité. C’est l’option pour le moment, tout en respectant les droits des homosexuels.
Nous ne sommes pas homophobes au Sénégal. La société doit prendre le temps de traiter ces questions sans pression.
同性愛を処罰としない国でさえ、全ての人の意見が一致するわけではない。セネガルは寛容な国であり、同性愛者だから働かないなど誰一人として口にする者はいない。しかしながら、同性愛を合法化するまでには至っていない。これは同性愛者の権利を尊重した、現時点においての我々の判断である。
我々はホモフォーブ(同性愛、同性愛者に偏見を持つ者)ではない。社会は(外部から)圧力をかけられることなく、時間をかけこのような問題を解決すべきだ。
記者会見の前日、アメリカ・テキサス州でKimberly McCarthy の死刑が執行された。サル大統領の死刑制度に対する辛辣な意見は全ての人を納得させた。セネガルで死刑は廃止(最後の死刑執行は1967年)されているが、未だに死刑制度を採用する国があることをアメリカの国名を挙げずセネガル大統領は述べた。また、セネガル大統領は、アメリカ大統領とは対照的に他国を配慮した自国の考えを説こうとせずにこれを記者に対し述べた。
フランスの新聞l'Equipeのジャーナリスト @hpenot_lequipeはTwitterでこう述べている。
Très intéressant échange entre Obama et Macky Sall. Pour une fois, un président africain ne s'est pas écrasé devant E-U. Respect.
そして、パリの@Toutankhaton は次のようにtweetしている。
Bravo à @macky_sall pour sa réponse cash à @BarackObama ! Peine de mort vs mariage gay! #obamatakh
下のビデオは、セネガルの Xalimasn が投稿したその時の記者会見の模様である。
Dakar EchoのFacebookページでオバマ訪問時の写真を閲覧可能。
ワシントンポストの外交問題専門のブロガーMax Fisher が指摘したように、南アフリカでのオバマ大統領に対する歓迎ぶりは薄かった [en]。
1980年代、イギリスとアメリカをアパルトヘイト政策を容認する国として見ていた南アフリカ人がおり、それには理由があった [en]。 ”アパルトヘイト国家” のイスラエルを支持するオバマ大統領を南アフリカのオバマ評論家たちがなぜ 非難する [en]のかこの歴史からわかるであろう。また、オバマの評論家たちは米国による無人機(ドローン)攻撃とキューバのグアンタナモ湾収容キャンプも引き合いに出している。