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マリおよびマダガスカル:気候変動への順応に苦慮

Forest in the Kayes Region in Mali CC-NC-2.0

マリ:カイ州の森林 CC-NC-2.0の下使用

マリとマダガスカルの両国は過去5年以上にわたり、多くの同じような問題に直面している。例えば、任期途中の大統領の解任の元となったクーデターにより強く印象づけられた政治的混乱がある。その結果として、両国経済は急速に落ち込んでおり、GDPの数値にそのことが示されている。現在、マダガスカルとマリの両国では、新たに選出された行政メンバーたちが、混乱した政治システムの再建を図ろうとしているところである。

あまり知られていないが、両国は、極端な気候変動にどのように対処すればよいのか、という課題に直面している。経済社会基盤の脆弱な国ほど極端な気候変動の影響を受けやすいといわれるが、最近マダガスカルとマリで生態系に生じている事例ほどそのことを如実に表している例はない。

気候変動による影響は否定できない

マリの北部ではサハラ砂漠が徐々に森林に食い込んできている。 カイ州のある地域では、砂漠の広がりを食い止めることは不可能と思われるような兆候が表れている。その地域はかつては豊かな森林が広がっていた。しかし、いまは広大な砂地と岩場がそこに広がっている。

マッキンゼー・ヨハネスブルグ事務所のAdrien de Chaisemartinおよびその他の職員は、マリ一帯地域の気候変動による影響について報じている。

Mali is a mostly dry nation, subject to frequent droughts. Increasing temperatures and decreasing rainfall tell of a shift in climate zones as the desert moves south over productive land. In these regions, farmers dependent on agriculture and livestock already face trying periods of drought and have few options to overcome them. Many are moving to the cities, others to the country’s less arid south.

マリの国土の多くは乾燥地帯であり、しばしば干ばつに苦しめられている。気温の上昇傾向および降雨の減少傾向により、マリ一帯の気候帯に変化が生じていることが見て取れる。このことはサハラ砂漠が、南部の肥沃な土地へ拡大していることから説明できる。マリ一帯地域の住民は農業と畜産に依存しているが、彼らは既に過酷な干ばつ期をむかえている。しかし、これをやり過ごす手段を彼らはほとんど持ち合わせていない。多くは都市部へ移住している。または、あまり乾燥していない同国の南部へ移動している者もいる。

Kayes region  in Mali at the border with Senegal via wikipedia CC-BY-2.0

マリ:セネガル国境付近のカイ州 wikipediaから転載 CC-BY-2.0の下使用

マリの 現況評価および潜在的経済損失評価について下記のような記載がある。

The climate zone shift-the combined effect of rising average temperatures and declining average rainfall-has already pushed the country’s agroecological zones to the south over the past 50 years, with average rainfall down by about 200 millimeters and average temperatures up by 0.5°C over the same period. [..] The pessimistic high-change scenario could involve losses of about $300 million annually (some 15 percent of the value of agriculture and livestock); the optimistic scenario, losses of $120 million annually (6 percent)

マリの農業生態学的気候帯は、平均気温の上昇および平均降雨量の減少といった二つの要素の複合効果により、過去50年間にわたり南下を続けている。この間の平均降雨量は約200mm減少し、平均気温は0.5℃上昇した。[..] 悲観的に高く見積もったシナリオによると、年間約3億ドル(農業および畜産生産額の約15%)の損失が見込まれ、楽観的に見積もったシナリオでは年間1億2千万ドル(同6%)の損失とされる。

マダガスカルでは、気候変動の影響はさらに劇的である。二つのサイクロン(2012年のGiovannaおよび2013年の Haruna)がマダガスカルに上陸し、少なくとも10万人が住む場所を失った。これに引き続き、南部地方ではイナゴの飛来に悩まされた。サイクロンとイナゴの飛来がどのように関連し合っているかということを Emmanuel Perrinが、 maxisciences[fr]のウエブサイト上で解説している。

Le cyclone Haruna a touche l’ile de Madagascar. Or, son passage a cree les conditions d'humidite favorables a la proliferation de criquets migrateurs. Les autorites n’ont pas reagi a temps et, aujourd’hui, leur population atteint 500 milliards d’individus, estime une recente mission de comptage.

サイクロン Harunaがマダガスカルを襲った。このサイクロンの上陸は、イナゴの大量発生に好都合な湿潤状態を生み出した。それなのに政府は、すぐさま対策をとらなかった。そのため、イナゴの数は最新の推定によると、いまでは5千億に達したとされている。

Locust invasion in down town Fianaratsoa, Madagascar

マダガスカル:フィアナランツァ州の下町に飛来したイナゴの群れ

国際連合世界食糧計画(WFP)は米作の60パーセントがこのイナゴ飛来の影響を受けるだろうと言っている。サイクロンHarunaはまた南部の農民たちに直接厳しい影響を与えた。当地では6,351ヘクタールの畑が浸水した。YouTubeユーザーのongbelavenirが投稿した下掲のビデオで当地の浸水の生の映像を見ることができる。

どのように気候変動に順応するのか

それでは、住民たちはどのようにすれば、自分たちの生活に襲いかかる気候変動に耐えることができるのだろうか。Michael Kleineおよび彼の共同研究者または国際森林研究機関連合(IUFRO)の研究者たちが幾つかの提案を行っている。

新しい統治様式を確立すれば、積極的な出資者が集まることを期待でき、コミュニティーへの積極的な参加も期待できる。また、透明性があり説明責任を満たした政策決定をすることも期待できる。さらに、利益の公平な分配も期待できる。森林を気候変動に順応させる戦略はいろいろな分野との連携が必要である。また、この戦略は国家および地方行政による開発戦略プログラムへ統合することが必要である。

実際の現場で行う新戦略は地域ごとの事情や習慣によって異なる。例えば、作物生産高の減少に対しては次のような対策で対処することができる。一つは作物の多様化を図ること。もう一つはネリカ米のような早生種を作付けすること。

Balgis Osman Elasha博士は,新しい手法を実行に移すには地域毎の事情を把握し、地域社会の指導者の賛同を取り付けることが重要だと強調している。

The same policy could yield contrasting results ,for different sectors or different activities in the same sector, e.g. removing subsides on inputs, from agriculture produced positive impact on traditional rain fed sector (using minimum inputs), and negative impacts on mechanized irrigated agriculture (using intensive inputs) [..] Community Leaders are key players in the policy process , they possess a wealth of indigenous knowledge regarding the wise use and conservation of natural resources, moreover, customary rules and orders issued by them , are considered sacred by their local community.

同じ政策でも正反対の結果を生むこともありうる。そういった事例としては、異なった部局に同じ政策を施す場合や、同じ部局の中の異なった活動に同じ政策を施すといった場合が考えられる。具体例を挙げると、農業関係の補助金交付を停止した場合、(最小の資材投入で済む)従来から行われている天水利用型農業ではプラス効果が表れたが、(積極的な資材投入が必要な)機械化灌漑型農業ではマイナス効果が表れた。[..]地域社会の指導者はその域内の方針を実行する上で鍵となる存在であり、また、その地域社会の事情に精通しているので、自然資源を賢く利用しまた保護する上でも重要な存在である。さらにまた、地域社会の不文律や指導者が発した指示は,その地域社会内では侵すべからざるものと考えられている。