あるブータン出身の起業家が、使用済みの靴を集めてきれいにし、自分に合った靴を買えない人々に配るという活動を始めた。Help Shoe Bhutanは現在までに、国の人口740,000人のうち約1%の人々に靴を与えてきた。
そもそもの始まりは、インド出身のエンジニア、サンディープ・ガジャカが靴のクリーニングという新しいコンセプトを構築したことからだ。ガジャカは、自分の靴をきれいにしようとしない人々がいることが気にかかっていた。もし彼らが、ほかの誰かがやってくれたらと望むのであれば、それは実現可能なビジネスモデルである。彼は2003年、インドで初めての、どんな種類の靴にも対応するクリーニング・修理専門サービスをムンバイで始めたのだ。今のところ、ShoeVivalのフランチャイズは3ヶ国10都市で展開している。
ShoeVivalは、2011年に若いブータン人起業家ダワ・ドラクパによってブータンに生まれた。ブータン出身のブロガー、パサン・ツシェリンはその後のいきさつをこう語る。
His parents had sent him to get a degree in BSc Nursing from Bangalore [India], but to their disappointment he returned from Mumbai with a shoe laundry franchise, and without the degree. Unimaginable, but that's the strangeness of destiny. [..]
Overnight he turned what was earlier perceived as ‘dirty job’ into a sexy profession.
彼の両親は、息子にバンガロール(インド)の大学で看護学の学士号を習得させたかったのだ。しかし彼らの期待通りとはならず、彼はムンバイから靴のクリーニング・フランチャイズを抱えて帰ってきた。学位は取得せずに、だ。考えられないようなことだが、それが運命のいたずらというものだ。[…]
彼は一夜にして、今まで「汚い仕事」だと思われてきたものを、魅力ある専門業へと一転させたのだ。
ダワ・ドラクパは自身のブログで、彼が最初に経験した様々な奮闘や、どのようにしてHelp Shoe Bhutanという社会事業を始めるにいたったかを綴った。ドラクパはゴミ置き場に捨てられている大量の靴を見て、そのほとんどはリサイクルして再使用できるのではないかと考えた。ブータンの田舎では、子どもたちは学校までの道のりを何マイルも、自分に合った靴なしで歩いている。農民たちは靴を買う余裕がないため、裸足で野良仕事をしている。
使用済みの靴を回収する活動は2011年の9月に始まった。ドラクパの言葉によるとこうだ。
The intention was clear-
1. Collect as many old shoes.
2. Revive them.
3. and finally distribute them among the people who cannot afford a decent pair of shoe.
この活動の目的ははっきりしている。
1. できるだけたくさんの古い靴を集めること。
2. それらを再生すること。
3. 最後に、自分に合った靴を買えない人々に配ること。
ドラクパは、多くのブータンの団体や;企業、そして個人が、 資金提供や支援活動に参加したいと申し出てくれたことを振り返る。ドラクパが提供している靴のクリーニングや修理にかかるコストは1足につきわずか80ヌルタム(アメリカドルにして1.3ドル)。ブータン・ドラゴンズ・モーターサイクル・クラブが提携し、靴を必要とする田舎に届けるときのパートナーとなった。南西部のサムトセ地区に靴やその他の品を届けるとき、クラブのメンバーは寒く霧で見通しが悪い天候にもかかわらず、オートバイを走らせてくれたとドラクパは語る。
初めての配布活動は2012年3月に行われた、とドラクパは綴る。
The distribution team reached there around 3pm. And the children started standing in queue. Even at this moment, i was not very sure how those shoes will be accepted. […] There were different kinds of shoes- adults, kids, flip flops, boots, leather shoes and the list goes on. […] Help-Shoe Bhutan took 221 pairs of cleaned and repaired shoes.
Kids came one at a time to try out shoes… They were very excited, we could clearly see that the kids and adults as well were choosing their shoes even before their turn came to try out their shoes. Soon kids and adults rushed towards the shoes and the view looked more like a fish market. Having said that, it was indeed a honor for us, the distributing team.
配布チームが午後3時ごろ現地に到着すると、子供たちが列を作って並び始めた。この時になっても私はまだ、これらの靴がどのように受け入れられるのか確信が持てないでいた。[…] 大人用、子供用、サンダル、ブーツ、革靴等々、用意された靴は実に様々な種類があった。[…] 私たちは221足もの、クリーニングされ修理された靴を用意したんだ。
子どもたちが1人ずつ試着しにきた…彼らはとても興奮していたよ。子どもも大人も自分の順番が来る前に、靴を選び始めている光景がよく見られた。彼らはすぐに靴に駆け寄っていて、まさに魚市場のようだったよ。こう言えるなんて、配布チームとして本当に冥利に尽きる。
Help Shoe Bhutanのチームは、ブータンの最貧地区であるシェムガンにも靴を届けた。ドラクパはこう振り返る。
We made it a point not to miss a single person leave the room without getting a pair of shoes. The distribution began with Bardo Tshogpa calling the names according to the house hold names. There are 68 households in Bardo gewog. And approximately 300 people. The charity goods include shoes, clothes, toys, New blankets, sweets, biscuits etc.
私たちは誰1人として靴を手にせずに帰っていく人のないようにと努めた。配布はまずBardo Tshogpa村から、世帯名を呼びながら進められた。Bardo村には約68世帯、およそ300人が住んでいる。配布されたものは、靴・服・おもちゃ・新しい毛布・お菓子・ビスケットなどだ。
2012年5 月まで続いた最初の活動では、約1300足の靴が配られた。次の活動は、2000足の靴を配布するという計画のもと、チミ・ヤンゾム・ワンチュク王女によって2012年の6月に行われた。この活動は現在も継続中で、2014年5月21日までに配った靴の総計は、;5996足にのぼる。
次なる活動は何か? Help Shoe Bhutanの フェイスブックによると、彼らは高校に出向き、生徒たちにどうやって靴をきれいにし再利用するかを教えるという。7月24日の投稿ではこう綴られている。
We are just trying to empower the students themselves to take care of their own shoes.
It is often said “give a man fish, he will feed for a day. Teach him how to fish, he will start a fish shop and feed his neighbourhood”
私たちは、子どもたちが自分で靴の手入れができるように後押しをしたい。よく、「魚を与えやれば、彼はその日1日を食いしのぐことができる。しかし魚の釣り方を教えてやれば、彼は魚屋を開き周りの人も食べさせてやることができる」というだろう。
彼らの活動の様子は、フェイスブックで見ることができる。