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高層ビルの窓拭きは誰の仕事? 香港政府の待遇改善策に雇用主側が反発

A typical window in Hong Kong residential skyscrapers. Screen capture from Youtube video

香港の高層マンションの典型的な窓。YouTube動画からのスクリーンショット

香港では、過去7年間に平均して毎年1人の外国からの出稼ぎ家政婦が、高層マンションで窓の外側を掃除中に転落死している。8月に35歳のフィリピン人家政婦がこの作業中にマンションの49階にある部屋から転落して亡くなった。それをきっかけに、香港の家政婦団体はデモ行進を行い、仕事の安全性に関する問題に取り組むよう香港政府に要求した。

移民労働者の権利保護団体(AMCB)の広報担当者、ドロレス・バラダレス氏は当時、報道陣に次のように語った。

私たちは雇い主から窓を掃除するように言われたら簡単には断れません。ですが、窓の掃除は怖いです。[略] 政府は今こそ、家政婦を守るべきなのです。

バラダレス氏らの要求に対し、香港政府は迅速な対応をとらなかった。だが、フィリピン総領事館は10月中旬には反応を示し、窓の外側の掃除は家政婦業務に含まれないという条項を、フィリピン人家政婦の労働契約書すべてに盛り込むよう命じた。

予想通り、家政婦の雇用主団体は新しい契約条項に反発した。香港政府が懸念を示し、この問題に一刻も早く対処することで合意したのち、フィリピン総領事館は新しい契約の発効日を当初の発効日から1か月先の11月14日に延期することを承諾した。

最終的に香港労働局は、家政婦は本人以外の成人が見守る中で転落防止柵のある窓のみを掃除すればよいという新しい案を10月末に提示した。香港政府筋によると、この案はシンガポールのものを手本にしており、家政婦の主な出身国に受け入れられているという。しかし、雇用主団体は「本人以外の成人が見守る中で」という部分に対し、監視しているような時間はないと反論している。

議論全体を通して、多くの雇用主が窓の外側の掃除は危険ではないと主張している。だが、それも家政婦の仕事であり、窓掃除の研修を受けさせるべきだと訴える人もいる。例えば、雇用主が請願書のなかで述べていることの一つに、フィリピン労働局に対する次のような要望がある。

過度な電話の使用、借金、窃盗、雇用主への罪のなすりつけ、売春や風俗業への従事、素行不良といった家政婦の質に目を光らせてもらいたい。[略] 政府は海外での印象が良くなるような働き方を国民に教え込むべきだ。そうすれば、国や家族のために外国でお金を稼げるようになる。

このような見解は珍しくなく、似たような意見がソーシャルメディア上で多く聞かれる。下記のコメントは非営利のオンラインメディア、StandnewsのFacebookページに投稿されたものからの抜粋である。

刀會切到,火會燒傷,滾水滾油熨斗會燙傷,即係乜都唔使做!

咁應該將抹窗呢部分嘅人工從每月$4210 中剔除!

抺窗真係危險嘅 個個都危險啦 咁邊個可以抺呢?! 如果做足安全措施就可以抺, 點解家傭就唔得呢?!

料理中に包丁で怪我をする可能性だってあるし、火を使うときやアイロンをかけるとき、それに沸騰している水や油で火傷を負う可能性だってある。だから、これらの家事はしなくてもいいってこと?
もし窓掃除を業務からカットするなら、(雇用主も)毎月支払う4,120香港ドル(約6万2,000円)の給与からその分の賃金をカットすべき。
窓掃除は誰にとっても危険な作業なのに、家政婦がやらなかったら誰がやるの? 安全保護対策だけの問題なら、なぜ家政婦はそれができないの?

香港で新しく建てられた中流階級の集合住宅は、ほとんどが巨大な窓のある高層マンションだ。窓から体を乗り出して外側の窓ガラスを拭く作業には危険が伴う場合がある。労働運動家の鄧建華氏は、外国人家政婦保護を目的とする香港の法律の緩さを強調した。

家居屬於私人地方,但我們很少注意到,這其實也是外傭的辦公室,僱主有責任提供恰當、安全的工作環境。根據香港現行的《職業安全及健康條例》,大部分職場的僱主必須提供恰當的工具、設定辦公室工作安全指引等等。然而,此條例卻豁免了家務工僱主履行條例的責任,忽視了私人家居已成為香港十分之一勞動人口的職場,這自然令移工僱主的職安意識薄弱。在一個電台節目裏,竟然有僱主團體提出要讓外傭抹窗時佩戴安全帶,不禁令人悲從中來——要戴安全帶的工作,幾乎都有高空跌下的危險,這是付四千多元便可以聘用的人員做的嗎?

自宅は雇用主のプライベートな領域だが、外国人家政婦の職場でもある。適切で安全な職場環境を提供するのは雇用主の務めだ。労働安全衛生法によれば、雇用者は被雇用者のために適切な道具を提供し、適切な設備と安全基準を設けなければならない。しかし、家政婦の雇用主はそういった法的義務を免れている。家政婦は香港の労働人口の10%を占める職業であるにもかかわらず、雇用主は自宅が家政婦の仕事場でもあるという事実に目を向けず、また労働安全に対する意識もほとんどない。最近のラジオ番組で雇用主団体の代表者は、家政婦は窓の外側を掃除するときは安全ベルトを着用すればいいとさえ言い出した。耳を塞ぎたくなるほどひどくばかげた考えだ。安全ベルトの着用を提案するということは、高層階からの転落の危険性を認識していることになる。そのような業務を月給およそ4,000香港ドル(約6万円)の家政婦がやればいいと真剣に思っているのだろうか?

残念ながら、香港では家政婦の虐待は今に始まったことではない。5月に発表されたグローバル・スレイバリー・インデックス2016(訳注:奴隷労働の撲滅を目的とする団体が発表する年次報告書)で、香港の700万人を超える人口のうち少なくとも2万9,500人が 現代の奴隷状態に置かれていると報じられた。地元の人権センターは、このような状況に置かれている人はこれよりも多いと考えている。なぜなら、この団体が最近行った調査で、外国人家政婦の17%は「強制労働」をしていることが明らかになっているからだ。これは、香港で働く32万人の家政婦のうちの約5万5,000人にあたる。

校正:Maki Ikawa

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