(原文掲載日は2017年5月28日)
島国であるスリランカは、過去10年で最悪の洪水被害に襲われている。5月下旬に多い南西のモンスーンが引き起こした大雨により、15の地域でカル河、ケラニ河、ギン河、ニルワラ川、アタナガル・オヤ川などが氾濫した。いずれも国の南部や西部に位置する河川である。
2017年5月28日のスリランカ災害管理センターの報告によると、洪水と土砂崩れで126人が死亡、100人近くが行方不明となった。5月26日以降、40万人以上が被災、およそ10万人が304か所へ避難した。
雨は5月27日に弱まり、水位が元に戻り始めた地域もある。未だ孤立している地域では健康面や衛生面が大きな課題だ。
以下は洪水の被害の大きさを示す画像や映像である。
RT BasnayakeM: Heavy Flood in Morawaka Town #lka #srilanka pic.twitter.com/HYDrLY4qcX
— Sajith Abeywardhana (@sajithswa) May 26, 2017
モラワカの大洪水
Flood in Tawalama Town up to 24 feet water level.#lka #srilanka #LKA #Srilanka #Galle pic.twitter.com/at9ovDfuNP
— Farhaan Nizamdeen (@greatgalle) May 26, 2017
タワラマの洪水では水位が24フィートになった。
アッザム・アメーン氏やスリランカ・ツイートなどのTwitterユーザーは、洪水の状況を定期的に更新していた。災害の状況を知るために#FloodSLというハッシュタグを使っていた人も多い。
Sri Lanka’s deadly floods could exacerbate dengue crisis, warns Save the Children as more rainfall is on the way #lka #FloodSL
— Azzam Ameen (@AzzamAmeen) May 27, 2017
このまま雨が続けば、スリランカの深刻な洪水でデング熱の危険が高まる可能性があるとセーブ・ザ・チルドレンが警鐘を鳴らしている。
Today morning Neluwa bus stand in flood situation water level up 20 feet #lka #srilanka #Galle #Srilanka pic.twitter.com/ykb606iBpB
— Farhaan Nizamdeen (@greatgalle) May 26, 2017
今朝も洪水が続いているネルワのバス停は水位が20フィートになったよ。
Galle moragoda village also flood due to Moragoda Ela water levels exceeded in yesterday.#lka #srilanka #LKA #SriLanka #Galle #FloodSL pic.twitter.com/fOSACAGenQ
— Farhaan Nizamdeen (@greatgalle) May 26, 2017
ゴールのモラゴダ村も洪水だ。モラゴダのエッラで昨日の水位を超えてしまった。
政府は救援措置を強化しつつある。スリランカ軍兵士1,600人以上が、被災地域で洪水や土砂崩れからの救出活動に従事している。空軍は救出活動に航空機5機を派遣し派遣し、浸水した村に取り残された住民への救援物資を届けるため、さらに5機を準備している。
All schools in flood affected areas of Western and Southern provinces will remain closed tomorrow: CM #Lka #SriLanka
— Manjula Basnayake (@BasnayakeM) May 28, 2017
西部と南部の洪水で被災したすべての学校は明日も引き続き休校となる。
スリランカは、国際連合、国際捜索救助諮問グループ(INSARAG)、近隣国などに対し、被災した人々への援助を要請した。乗員125人を伴った医療物資を運ぶインド海軍の船が27日から首都コロンボに停泊しており、さらに2隻がまもなく到着するという。
さまざまな組織や新興企業も支援に向かっている。Help Flood Victims in Sri Lankaや2017 Disaster Relief – Information Desk- Sri Lanka(訳注:リンク先のページ名はFlood & Disaster Management Forum – Sri Lanka 2018に変わっている)などのFacebookページでも、洪水の状況や人道的支援に関する重要な情報を発信している。洪水被害への支援にTwitterを使う人々もいる。
People who wanna put up your hands and help. We need volunteers and donors. Join in. #FloodSL #Flood2017 #SriLanka #RT #Help pic.twitter.com/NDDu3XKMIa
— Logan ⚓ (@KawdaBoy) May 26, 2017
支援の手を差し伸べてくれる方へ。ボランティアやドナーが必要です。ご協力をお願いします。
If any search & rescue team needs aerial drones for their operations, Please contact 0774844639 #flood2017 #FloodSL #SLDisasterRelief #lka pic.twitter.com/5IzpMmYUfl
— Champika Wijerathne (@chamiyeah) May 26, 2017
活動にドローンを必要としている捜索・救助チームの方は、0774844639までご連絡ください。
For anyone looking to donate dry rations and essential items for #FloodSL victims – pic.twitter.com/y67BHmy9r5
— Gopiharan Perinpam (@gopiharan) May 26, 2017
#スリランカ洪水の被災者に固形食糧や必需品を寄付したいと思っている方へ。
We are in the Keleniya and Himbutana areas today. Please call 0777449729 or 0777843841 today if animals in that area need help#FloodSL #lka
— KB (@Acidulouskb) May 28, 2017
今日はキャラニヤとヒンブタナのあたりにいます。もしその地域で助けを必要としている動物たちがいたら、0777449729か0777843841へお電話ください。
タクシー配車アプリ『PickMe (Sri Lanka)』では、アプリを通じて被災した人に居場所をシェアするよう呼びかけている。そうすることで災害管理センターに通知が届くのだ。
#lka #FloodSL #Rescue Give your location to the Disaster Management Center via @PickMeLK pic.twitter.com/X1nBGydCum
— PickMe (Sri Lanka) (@PickMeLK) May 27, 2017
@PickMeLKから災害管理センターに場所を教えてください。
昨年、サイクロン「ロアヌ」がもたらした被害の影響が残る中、PickMeは「洪水支援」ボタンを導入した。これによりユーザーは救助の車を呼ぶことができ、スリランカ赤十字社への寄付も無料で行える。また「SOS」ボタンも導入されたことで多数の要請につながり、洪水や土砂崩れで孤立した人々をボートで救助した回数は150にのぼる。
政府と、さまざまなソーシャルメディアプラットフォームを最大限に活用する民間人との連携で、身動きのとれない住民を安全な場所へ連れていったり、救助活動を通じて支援したりしている。これ以上命が奪われることを防ぎ、スリランカの人々は長い復興への道のりに向き合っている。