2021年5月6日、天安門広場で例年夜通しで行われる活動に昨年の6月4日に参加したとして、香港の民主活動家4人が実刑判決を受けた。
2019年に無許可の集会を組織し扇動した罪に問われ、現在13.5ヶ月の禁錮刑を受けている著名な民主活動家のジョシュア・ウォンに対し、地方裁判所のスタンレー・チャン判事は10ヶ月の禁錮刑を追加した。
判決を受けた他の3人は区議会議員で、レスター・シャムは6ヶ月、ティファニー・ユエンとジャネル・レオンは、それぞれ4ヶ月の禁錮刑を言い渡された。3人とも議席を失うことになり、ウォンとシャムは、昨年の香港立法会民主派予備選挙に参加したとして、香港国家安全維持法に基づく政権転覆の罪にも問われている。
香港人は1990年以来、6月4日の天安門事件の追悼のために香港の繁華街にあるビクトリアパークに集まっている。5月6日に言い渡された判決は、この平和的な記念行為に対して、関係者が刑に処された初めての事例となった。
昨年、香港警察はパンデミックを理由に、この集会の主催者に公的な集会許可証を発行しなかったため、参加者は「無許可の集会に参加した」という罪に問われる危険性があった。
ビクトリアパークでキャンドルを灯した2万人以上の香港人の中から、警察は26人の活動家を逮捕・起訴。そのうちの2人、ネイサン・ローとサニー・チャンは、香港を離れて海外に亡命している。
判事は判決の中でこう述べた。
With the 2019 unrest still lingering, the gathering of some 20,000 participants on a special night like June 4 meant emotions could run high, and unruly elements could take advantage of the situation and incite violence.
2019年の不安が残る中、6月4日のような特別な夜に約2万人もの人が集まるということは、感情が高ぶり、手に負えない者が状況を利用して暴力を扇動する可能性があるということだ。
ロンドンに拠点を置く人権団体「香港ウォッチ」の最高責任者であるベネディクト・ロジャースは、今回の不相応な禁錮刑について次のようにコメントした。
The jailing of Joshua Wong, Lester Shum, and two district councillors for their participation in a peaceful vigil marking the Tiananmen Square Massacre is a new low in the dismantling of the city’s freedom. It appears that it is now a crime in Hong Kong to remember the 1989 massacre, where the Chinese Communist Party killed thousands of student activists.
ジョシュア・ウォン、レスター・シャム、そして2人の区議会議員が、天安門追悼集会という平和的な活動に参加したという理由で投獄されたことは、香港の自由を破壊する新たな悪しき例です。中国共産党により数千人の学生活動家が犠牲となった1989年の大虐殺を追悼することが、もはや香港では犯罪となってしまったようです。
6月4日の集会を組織し、参加した他の20人の活動家も告発されている。そのうちの1人で、集会の主催者である民主派団体「香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)」の主席は、無許可集会の組織、扇動、そこへの参加など3つの罪に問われている。
今年も、ビクトリアパークでの6月4日の集会は、健康上の問題を理由にレジャー文化サービス局が会場や施設の貸し出しを停止したため、事実上禁止されている。
香港人は昨年同様、6月4日に自発的にビクトリアパークに行くことはできるが、裁判所は、そのような行為は逮捕や投獄につながる可能性があることを示唆している。Louisa LimはTwitter上で指摘する。
Make no mistake: public remembering of June 4 in hk is being criminalized using the pretext of covid safety https://t.co/0XEjllk0Be
— Louisa Lim (@limlouisa) May 6, 2021
間違いありません。コロナ禍での安全という事を口実に、香港で6月4日のことを公に記憶することが犯罪化されています。https://t.co/0XEjllk0Be
— Louisa Lim (@limlouisa) May 6, 2021
このような圧力にもかかわらず、支連会は毎年6月4日の追悼活動を続けている。5月2日、支連会の副主席であるアルバート・ホーとチョー・ハントンは、昨年の追悼集会への参加と扇動の2つの罪に問われているが、香港大学のキャンパスにある「恥の柱」の前で、毎年恒例の追悼儀式を行った。AFP通信の香港特派員、シンチー・スーがその様子を記録。
“Even if the regime wants to criminalise our candlelight (to commemorate June 4), we will persist,” said HK Alliance leader Chow Hang-tung. “We also hope everyone can remember the day, remember the massacre.” pic.twitter.com/cL1mbFVOyS
— Xinqi Su 蘇昕琪 (@XinqiSu) May 2, 2021
「政権が(6月4日を記念する)キャンドルライトを犯罪にしようとしていても、私たちは負けません」と支連会のリーダー、チョー・ハントンは語りました。「私たちはまた、すべての人がこの日を忘れず、大虐殺を忘れないことを願っています」とも。pic.twitter.com/cL1mbFVOyS
— Xinqi Su 蘇昕琪 (@XinqiSu) May 2, 2021
判決の後、チョーはこう強調した。
June 4 is coming again – we have been lighting candles in Victoria Park for 31 years and we will continue.
6月4日が再びやってきます。私たちは31年間、ビクトリアパークでキャンドルを灯してきましたが、これからも続けていきます。