長年にわたる抗議を受けた末、野生動植物保護区に生まれ変わるイスラマバード動物園

Lion at a Zoo. Image via Wikipedia by Carlosar.

動物園でのライオン。画像は Wikipedia出典、Carlosar撮影。CC BY-SA 3.0

当局が12月8日に発表したところによると、イスラマバード動物園は長い間パキスタンの動物愛護活動家の訴えの原因となっていたが、正式に閉鎖され野生動植物保護センターに生まれ変わることになった。

イスラマバード高等裁判所は5月、同動物園に対し、878匹の動物をすべて保護センターに移送するよう命じた。 裁判所はまた、動物園の管理をイスラマバード・メトロポリタン・コーポレーション(IMC) から イスラマバード野生管理委員会(IWMB)に引き継ぐことを命じた。 この委員会の勧告によって、気候変動省が動物園の82エーカーにおよぶ敷地を野生生物保護センターに改築することを決定した。

移動された動物の中には、2012年にパートナーの死を受けて「世界で最も孤独なゾウ」として知られるようになったカーバンがいる。

この動物園は、コロナウイルスによる制限により、4月から閉鎖されている。

気候活動家で IWMBの非公式メンバーであるであるリーナ・サイード・カーン氏は、次のようにツイートした。

昨日、イスラマバード動物園の将来に関するIWMB決議が理事会で可決されました。マーガラ野生動物センターの胸躍るような再出発の一翼を担えるのが楽しみです。

パキスタンのマリク・アミン・アスラム連邦気候変動相も、このニュースに応えた。

@WildlifeBoard の推奨事項に従って@ClimateChangePKは、#IslamabadZooを世界級の#WildlifeConservationCenterに改装するプロセスを開始した。

2020年のパキスタンは、動物虐待の話題でもちきりだった。

7月には、2頭のライオンがイスラマバード動物園で窒息して死亡した。飼育係がライオンをおりから無理やり出すために、おりの中で火を焚いたのだった。 ライオンが苦しむ様子のビデオがソーシャルメディアで拡散した結果、社会に怒りが広がった

8月にはペシャワールの住民たちが同市の高等裁判所に共同請願書を提出し、ペシャワール動物園の飼育方法を訴えた。請願書の訴えによると、過去9ヵ月間に動物園で18匹の動物が死亡した。

10月、拡散された動画で疲れきってのどをカラカラにしたシリアのクマの姿を見た市民社会団体は、カラチ動物園を訴えた

マヘラ・オマール氏はドキュメンタリー映画製作者でありパキスタン動物福祉協会の共同設立者だ。彼は最近、動物園の旧配信動画をシェアしたが、そこには鎖でつながれたゾウが数頭映っていた。

2018年冬、ある日曜日の午前9時に、たまたま、カラチ動物園で鎖につながれたゾウが目に入りました。子供の頃にタンザニアの野生で保護されたノリジョンとマドゥバラは、それぞれ3本の足を鎖につながれ隔離されていました。

今週、野党の「パキスタン民主運動」(Pakistan Democratic Movement)の集会に無理やり連れてこられたライオンの動画が公開され、怒りを引き起こした。ライオンは後に当局によって取り押さえられた。パキスタンでは、政治集会のマスコットとして、政党が動物を連れてくるのはよくある光景だ。

野生生物学者で自然保護論者のウズマ・カーン氏によるツイート:

なんと恥ずかしく、無慈悲なことをするのか! 政治集会に無理やり連れてこられた野生動物は、みるからにイライラし、居心地が悪そう。パキスタンは、ペットとして、また商業の対象としての外国産の大型猫を禁じるべきです。

無力な法律

大型のネコ科動物のような野生動物をペットとして飼うことは、パキスタンの富豪の間ではよくあることである。
『ドーン・ニュース』(パキスタンで最大の英字新聞)によると「パキスタンの法律では、外国産の動物を簡単に輸入できるようになっていますが、いったん国内に入ると、野放し状態」だそうだ。パキスタンには、輸出入が禁じられている絶滅危惧種の民間繁殖場が数多くあると思われる。

パキスタンは国際保護対象の大型陸鳥フサエリショウノガン狩りで悪名が高い。 また政府はパキスタンの国獣マーコール(訳者補足:別名ネジツノヤギ)のトロフィーハンティング権を売り、毎年数100万ドルの利益を生み出している。

そして、動物虐待に対する法律もぜいじゃくであると考えられている。

英国植民地時代の動物虐待に対する法律は、0~500パキスタンルピー(約0~3米ドル)の範囲の罰金を規定している。パキスタンでの最低賃金は1万7500パキスタンルピー(109米ドル)である。

現政府は、動物虐待に関連する法律の改正を公約している。

校正: Yasuhisa Miyata

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